もうちょっとふざけたトーンの強い作品かと思って油断していたのですが..何気に傑作でした。

「SRサイタマノラッパー」と同じく、2000年代の映画として”ダメになっている日本”を扱い、そこで生きるひとの在り方を検討する一助にはなる、作品だと思えます。そこまでいかなくても親子の在り方を扱う映画としても上出来。そしてダメな人間のダメさがまた見事(笑)ケンイチ&トモコのダメコンビのダメさったらない。

そして名言。
「一生懸命生きる姿は、笑える/生きることそれ自体が恥ずかしいこと」
「みんな中の下。中の下じゃないひとっているの?」
「私なんか大したことないんだから、頑張るしかない」
「あんたはダメな子なんだから、がんばらなくっちゃダメだよ」

..上記に代表されるやりとりが総じて中盤以降、自身のダメさを認め、すっかり「開き直った」主人公の変化とその”かっこよさ”に結び付いていく。

本当に、こういう発想って、今の日本には大事だ。
変な/無意味なプライドで自分を飾り立て「自分には問題など、ない」としてしまうことは、結局のところ何の解決にも繋がらない。それは今の日本国の姿そのものであろう。

自身ののダメさを認め、「ダメなんだから!頑張らねば!(変わらねば!)」という方向にシフトするのは..根拠のないプライドの高さで自身を支え、かろうじて生きている類のヒト(や国)には辛いことなのだろうけど..

日本が中国や韓国やその他アジアに、ノリの部分で勝ててない理由のひとつは、このような開き直ってがむしゃらになるセンスの..無さあるいは不足なのだろうなぁと痛感させられました。

いやーよかった。

満島ひかりはもとよりいい女優だけど、彼女を扱った映画の中では最良の作品でしょう。そりゃ監督と結婚するわな。