ミステリー界の重鎮、島田壮司さんの斜め屋敷の犯罪という作品はトリックがものすごく考えられています。斜めに建てられた奇妙奇天烈な館で密室殺人が起こるのですが、どう考えても犯人足りえる人がいないのです。みんなそれぞれにアリバイがあって、誰も殺すことが出来なかった、でも実際には密室で人が死んでいるという私のような本格推理好きにはたまらなく魅力的な謎です。おまけに館ものとなるとまさに私好みの小説でした。

私もトリックや犯人を一通り推理したのですが、後もう一歩というところまでは行くのですが、そこからのトリックが暴けず、見事騙されてしまいました。斜めに建てられた館、通称斜め屋敷は斜めに建っているというだけではなく、その建物内もすごく変わっています。隣り合った部屋なのに一度大回りをしないと行き来できなかったり、廊下側に扉がついておらず、いったん庭に出ないと入れない部屋など、実際そんな館に住んだら頭がどうにかなってしまいそうなほど奇怪な館です。

そんな奇怪な館にトリックが隠されているんだろうなということまでは分かるのです。ですがそこからが行けません。トリッキーな小説を数々書かれてきた島田壮司さんなので、館に秘密があることは分かっていたのですが、結局推理できず最後の最後でなるほどそういうことだったのかと分かった次第です。それにしても見事なトリックを考えたものです。あちこちに伏線が散りばめられていたのにそこを読みきることが出来なかった私でした。